2023年12月18日月曜日

時事雑感

   パー券のノルマ、売上高、キックバック。これ、キャバクラの話ではありません、政治の話なのです。こうした言葉が政治の世界で平気に使われることが今の政治状況を赤裸々に表しているのではないでしょうか。政治が風俗業と同レベルに堕しているということです(キャバクラで懸命に働いているみなさん、ごめんなさい)。政治家がこうした言葉を使っているとしたら彼らは自分をそう見られても何ら恥じることがないのだろうし、彼らにそうした表現を当てはめているメディアは政治家をその程度のものと見下しているからに他なりません。

 驚いたことは安倍派の権力構造――重要ポストを構成している力関係が見事に「パーティー券売上高」に『比例』していることです。1千万円以上のキックバックを受けている連中が重要閣僚と政務三役についているのですからそれ以外には考えられません。いつからそうなったのかは分かりませんが、少なくとも安倍さんは彼ら(と近い人たち)を重用していました。憲政史上最長を誇った「安倍一強」の実態が「パーティー券売上高競争政権」だったとしたら何とも情けない話です。

 

 この騒動をいかに収拾するかについて「安倍派一掃」案が浮上して岸田さんにその覚悟があるかが問われていますが、一方でそれじゃ見せしめじゃないかという反論が安倍派からも他派からも、そして識者の一部からも出ていますが、みせしめて当然なのではありませんか。安倍派が「パーティー券売上力権力構造」になっていることは派内の誰もが承知していて誰ひとり反旗を翻すこともなくその組織に自ら望んで所属していたのですから売上高の多少にかかわらず同罪だと思うのですがおかしいでしょうか。

 政治家の皆さんは10年前(平成25年)「いじめ防止対策推進法」を制定しました。そのなかにこんな条文があります。

 「いじめの防止等のための対策は、全ての児童等がいじめを行わず、及び他の児童等に対して行われるいじめを認識しながらこれを放置することがないようにするため(基本理念)」(略)いじめの防止等のための対策は(略)行われなければならない。

 この条文はいじめをする子どもも見ていながら、知っていながら見逃す子どもも同じように「いじめをしている」とみなして対策を講じるとしているのです。この伝でいけば安倍派で多額の売上げを達成して1千万以上のキックバックを受けていた政治家も、集金力がなくてノルマ負けした政治家も同罪だということにならないでしょうか。

 子どもには「罪を見逃す罪」を説いておきながらおとなは、それも国家公務員特別職の政治家さんは知らんぷりするというのはいかがなものでしょうか。

 

 部員が大麻を使用したということで日大アメリカンフットボール部が廃部になろうとしていますが、これに抗議や廃部取り止めを歎願しているひとがいますがどうなのでしょうか。

 日大アメフト部廃部というと2009年の近大ボクシン部の廃部を思い出します。元ボクシング部員が通行人を相次いで襲い現金を奪うなどした事件で、元部員人が逮捕。現金やキャッシュカードを奪うなど16、17件の強盗致傷や恐喝などの事件に関与していたとして2人は退学処分となりボクシング部が廃部になった事件です。同部はその後OBの赤井英和さんらの尽力によって3年後復活していますが近大ボクシング部は大学日本一に11度も輝いた名門でした。

 大麻使用は大麻取締法違反の罪に問われることになりますが強盗致傷、恐喝とどちらが重罪かは判断しかねます。近大は2人だったのに比べて日大は今のところ3名が逮捕されていますが今後10人以上に逮捕者が増える可能性も高いと言われています。問題はアメフト部の寮が犯罪の現場であったことと逮捕されている現役部員だけでなく卒業生にも大麻法違反者がいたことでひょっとしたら何年も前から、アメフト部ぐるみであったかもしれません(部員全員ではなく上級生の一部が長年にわたって組織的に行なっていたことも含めて)。

 ボクシングとアメフトという競技のイメージがあるのは否めませんが、近大のボクシング部が廃部当然と見るなら日大アメフト部も廃部になって当然ではないでしょうか。時代の趨勢として現在の麻薬に対する罪罰感は厳罰化しています。その違反者が同一の部から10人以上も出る(可能性)としたらこれは相当反社会性は強いのではないでしょうか。加えて責任者の副理事長が証拠隠滅めいた行動もとっていますし数年前には「悪質タックル事件」もありました。廃部当然ではないでしょうか。

 歴史ある日大アメフト部ですからアメフト界にとっては痛手でしょうし、OBのみなさんにとっては悔やんでも悔やみきれないでしょうから赤井さんのように身を切って再建を目ざす人も出てくるにちがいありません。たとえ廃部になっても日大を上げて、現役、OB、保護者及び関係者の熱意で早期に復活することでありましょう。

 

 この問題でメディアも全く触れていない問題があります。「田中元理事長」の存在です。元理事長の影響力は日大大学競技スポーツ部全般にわたって強力だったはずです。理事長は退任しましたが彼の影響力は完全に排除されたのでしょうか。スポーツ界は上下関係(現役、OB、競技界)が厳しく、コーチ・監督の指導力と政治力(スポーツ界のヒエラルキー)の影響が強いといわれています。そうした状況を考えると田中さんは形の上で理事長職は辞したとしてもその影響下にあるコーチや監督が多く残っているのではないでしょうか。今回の騒動でアメフト部の監督・コーチがまったく表に出てこないのは異常です。メディアがなぜ切り込まないのか不思議です。

 

 ところで林真理子さんにわれわれは何を期待したのでしょうか。そして日大の関係者は何を期待してどんなバックアップで迎えたのでしょうか。今の彼女は哀れで醜悪です。残念至極です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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