サッカーWC2026はスペインの圧倒的勝利で終幕しました。3位決定戦の点取り合戦の面白さ、決勝戦の一瞬の隙も許さない緊迫した勝負。ワールドカップでしか見られない頂点のゲームでした。選手が優勝を口にしても現実味を感じさせた日本チームでしたが久保、三苫、南野を欠いたメンバーで勝てるほどワールドカップは甘いものではありませんでした。
今回ひときわ目を引いたのがカーボベルデというチームではなかったでしょうか。無名のチームがスペイイン、ウルグアイと引き分けアルゼンチンと3-2のあわやを演じたのですから一躍脚光浴びました。ウィキペディアをみてみると、大西洋の中央、北西アフリカの西沖合に位置する人口僅か55万人の島嶼国家でもとポルトガル領ということを知りました。人口で世界167位、GDPは年間19億7千万ドル(167位)1人当りGDP約3600ドル、ポルトガルの避寒地であった前身を引き継いで今でも観光立国としてヨーロッパでは存在感を示しています。海外で活躍している人が100万人もいて今回の選手の中にもフランス、オランダ、スイス、イタリアなどで活躍している選手が含まれていたようです。
カーボベルデという国をぼんやりと想像していてフト167位より下の国(人口の少ない国)はどんな国があるのだろうという興味が起こりました。
統計を見ると何とバチカンは506人(234位)です。1万人未満の国が海中に沈む危険をいわれているツバルを含めて7国もあります。つづいて~10万人未満の国が29国、~50万人未満23国、~100万人未満14国、ということで①100万人未満の国が74ヶ国になります。
100万人以上500万人未満32国、~1千万人未満34国、②100万人~1千万人未満は66ヶ国、 ③1千万人~5千万人未満63ヶ国、④5千万人以上1億人未満15ヶ国、⑤1億人以上16ヶ国。
④には韓国、イタリア、フランス、イギリス、ドイツが、②のうち5百万人以上1千万人未満にニュージーランド、フィンランド、ノルウェー、デンマーク、スイスがあります。ポルトガル、スウェーデンは1千万人台です。1億人以上の国は1位インド2位中国が14億人以上、アメリカは3億4千9百万人、ロシア1億4千万人、日本は1億2千2百万人になっています。(2026年)
福祉先進国と呼ばれる北欧諸国はスウェーデンも含めて1千万人から5百万人の人口帯に集中しています。人口1億人を遥かに超えるわが国が現在のような高福祉を実現していることは奇跡と言ってもいい偉業です。ただそのほとんどは50年以上前の高度成長期に構想された制度ですから低成長を前提としなければならない21世紀のこれからは、福祉だけでなく高度成長の延長線上にある施策は一旦ゼロにして「国のかたち」を根本的に見直す覚悟で取り組まないと制度が破綻する可能性が高いと思います。「護送船団方式」と呼ばれた供給サイドを国の保護のもとに世界競争に打ち勝つ企業に押し上げようとする方式は今のグローバル経済の状況では機能しないでしょう。バブル崩壊後に国が補助金方式で立ち上げた施策のほとんどが失敗しているのがそれを証明しています。現在の政府が目指している「強い経済」構想は方向を間違っていると思います。
人口推計によると2100年にはわが国人口は7000万人台になると予測されています(悲観的な数字は4000万人になっていますが)。この趨勢を悲観的に捉える向きが多いようですが(旧)先進国の英、仏、伊は5千万人から7千万人の人口に位置しています(ドイツは8千万人台です)。これらの国は我が国同様かっては世界経済を牽引しトップクラスに位置していた国々です。人口が減少しても国民生活を豊かに保つ可能性をこれらの国々が示しています。どうすればその道が拓けるのか。その課題を解決する能力のある政治勢力が今の政党に見出せるでしょうか。企業はどうでしょうか。そしてわれわれ国民は?
さて問題にしたいのは100万人に満たない人口の国が74ヶ国(31.6%)もあるということです(1千万人に広げると140ヶ国〈59.8%〉になります)。これらの国々はプーチンやトランプの振る舞いをどう見ているのでしょうか。習・中国の海洋進出や一帯一路政策はどう映っているのでしょう。ツバルは国土のほとんどが海抜2メートル以下ですから地球温暖化の影響でいつ国土消滅にいたるか戦々恐々としているに違いありません。
私たちは世界情勢や経済を考えるときこれらの国々をまったく考えのうちに入れていません。自由陣営のG7に対抗する新勢力としてBRICSを構想し21世紀最後のフロンティアとしてグローバルサウスが影響を持ち始めていますがすべて「人口大国」です。小国は政治的にも経済的にもまったく論外の存在なのです。
われわれは産業革命のはじまった18世紀後半から「世界」という単位で政治経済社会を構想してきました。そして21世紀になって「グローバル(経済)」という新たな概念であらゆる構想をしないと競争が成立しない局面に至っています。
第一次世界大戦(1914~1918)の主たる交戦国は連合国(ロシア、フランス、イギリス)と中央同盟国(ドイツ、オーストリア=ハンガリー帝国、ブルガリア、オスマントルコ)の7ヶ国で後にアメリカ、日本が参戦しました。主戦場はヨーロッパで中東、アフリカ、東アジアに拡大します。
国連の加盟国は51ヶ国でスタートし現在は193ヶ国が加盟しています(未承認国家が13ヶ国あるといわれています)。。
19世紀初頭の「世界」はおよそ10ヶ国に満たない規模でした。勿論これは極論ですがそれでも数十ヶ国で世界を支配していたと言っても過言ではないのです。それが戦後植民地支配から独立した国がつぎつぎと現れ193ヶ国にまで拡大しほとんど世界中の国が国連に加盟し「グローバル」世界が実現しています。
拒否権を持った大国が傍若無人に振る舞い国連が機能していないと批判を浴びていますがこれは大国が戦前の「大国意識」を拭いきれないでいるからです。いずれ「拒否権」は無くなるか今のような形では無くなるでしょう、でないと「グローバル(世界)」が機能しません。そうなったとき、小国の存在感は今とは格段に高まるにちがいありません。大国のエゴだけで世界が支配できる環境は21世紀半ばには消滅すると思います。
カーボベルデの活躍からこんなことを考えました。「真夏の夢」で終わるでしょうか。いや世界の英知は必ず実現してくれるはずです。そう願いましょう。