2024年2月5日月曜日

日本酒の新発見

  一月はあっという間に過ぎていきました。こんな時に使う表現ではないのでしょうが「シュトゥルム・ウント・ドラング(疾風怒濤)」がぴったりの一ヶ月でした。元旦の能登半島大地震、二日の羽田空港航空機事故、自民党裏金事件そして世にも不思議な異常な株高とゲスな松本人志騒動。1年分の出来事が1ヶ月で起こったのですからこの早さ感覚も当然でしょう。それにしても政治や不倫ネタの文春砲ならヤンヤヤンヤともてはやすニュースショーやSÑSがこと松本問題に関してはしたり顔で擁護論や自粛論が幅を利かせるのはどうしてでしょうか。人気者と権力者には靡いてしまう昨今の「正義漢」たちには辟易してしまいます。これではアメリカのトランプ現象を「対岸の火事」と笑ってばかりもいられません、なにやら首筋が薄ら寒くなりました。

 

 それはさておき今年になって私生活に何か変化はなかったか、考えてみるといくつかありました。

 筆頭は日本酒です。衰えを痛感した昨年の反省から「睡眠の質向上」のために晩酌を週二三回に減らそう、そう目標をかかげましたが「抜け道」が見つかったのです。正月に伏見の親戚から月桂冠の一升瓶を貰ったので、ウィスキーと焼酎のお湯割りという冬の定番晩酌メニューに月桂冠のぬる燗を加えてみるとぬる燗のときだけ快適な睡眠が得られたのです。ウィスキーとぬる燗、焼酎とぬる燗の方がウィスキーと焼酎のときより睡眠の質が良いのに気づいたのです。二週間ほどしてアレッ、月桂冠を呑んだときぐっすり寝られるし寝覚めた後二時間ほどもう一度スーッと寝られるゾ。意識して組合せを試してみると効果がはっきりしたのです。

 今どきですからネットで「日本酒は睡眠に良い」と検索するとこんな記事に出会いました。「ライオンはこのほど、筑波大学国際統合睡眠医科学研究機構の裏出良博教授と行った共同研究で、日本酒や酒粕の製造に使われる「清酒酵母」に“睡眠の質”を高める効果があることを世界で初めて発見したと発表した」。詳しい医学的内容は省きますが、脳にある「アデノシンA2A受容体」が質の良い睡眠(深い睡眠)と関係しており清酒酵母の受容体活性効果が他の酵母より高いというのです。

 勿論節酒は行ないますが晩酌時に日本酒を組み合わすことで飲酒しても良い睡眠が得られるのであれば安心できます。偶然でしたが「良い睡眠」という問題意識をもっていたからの発見で幸先の良い新年になりました。

 

 嬉しいスタートは孫にもありました。「置くだけ通せん坊」から解放されたのです。ハイハイするようになってリビングから這い出すのを防ぐために出入り口に「とおせんぼ」を設置していましたが、つかまり立ち、ヨイヨイと順調に成長して保育園へ行くようになって歩行が上達し園で活発に遊ぶようになれば「なんで家では自由にさせてくれないんだ」という不満がめばえるのは当然で、最近はゲートをユサユサ揺すぶって隙間を作って強引に抜け出すようになっていました。これでは「とおせんぼ」は意味がなくなっていましたから撤去は当然の処置で、嬉しくなった孫は母親の「後追い」をしてどこへもついて行くようになり、二階でも平気で上り下りしますから母親は仕事が手につかず困り果てています。そんなこともあって、お母さんに甘えるくせがついて園へ預けるときに泣かれて後ろ髪ひかれる思いで出勤しているようです。まあ一時のことでしょうが、可愛いではないですか……。

 

 昨年「百人一首」をくずし字で毎日最低一首書く「八十路の手習い」をはじめて、一年経つとそこそこ形がつくようになって何より筆を持つことに慣れて臆することがなくなったのは嬉しいことです。冠婚葬祭や展覧会などで記帳する機会も結構あり、金封の表書き、お雑煮の祝箸の名前書きなど意外と毛筆で書くことは多いのです。これまで記帳はマジックでごまかし、金封などはデパートで筆耕屋さん頼りしてきましたが最近は下手をおそれず自分で書くようになりました。何事も「慣れ」は大事でお手本を見ながらの筆ペンでの臨書であっても毎日続けておれば筆が手に馴染むようになって、漢字の完成形――一番難しい「楷書」もなんとかお手本を見ながら書けば人様に見せても恥ずかしくない程度(自分が勝手にそう思っているだけですが)に書けるようになりました。字が上手くない、この劣等感に悩まされてきましたが、思いもかけない「くずし字を読めるようになりたい」という目標ではじめた「くずし字で百人一首を楽しむ」という挑戦が、書くことが一番「読める」近道だと気づいて、書くことが楽しくなって……。

 何事も挑戦することは大事で、それは齢に制限はないのであって「八十路の手習い」は大成功でした。

 

 そういえば去年の紅白歌合戦は見なかったし「相棒」もこのシーズンは一度も見ていないナァ……。

 

 今年は毎日何でもいいからひとつ新しい発見がしたいと思っています、それが美しいものであれば嬉しいですが……、そうそう近くの神社の梅がはやくに一輪ほころんでいつの間にか満開になっていました。そんな身近な発見や気づきで一年を過ごしたい、若いうちは気づかなかったうつろいを見つけることで老いを楽しみたい。そんなことを思った如月の初めでした。

 

 

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