2009年10月10日土曜日

古事記の国

 できたばかりのオノゴロ島に新居を構えたイザナキノ命(みこと)とイモイザナミノ命。初めての夜、イザナミノ命が『吾が身は、成り成りて成り合わざる処一処あり』と。イザナキノ命こたえて『我が身は、成り成りて成り余れるところ一処あり。故、この吾が身の成り余れる処をもちて、汝が身の成り合わざる処にさし塞ぎて、国土を生み成さんとおもふ』。さて『みとのまぐあひ(媾合い:筆者注)』のうち『イザナミノ命、先に「あなにやし、えをとこを。」と言ひ、後にイザナキノ命「あなにやし、えをとめを。」』(おおざっぱにいえば「あれまぁ、なんと好い男(女)なりや」という意味になろうか)。という事態に至ったそうな。

そんな後に子を生したがひとり目は流産、ふたりめも五体満足でなかった。思い余って天つ神に相談したところ『女先に言へるによりて良からず。また還り降りて改めて言え』との教え。早速帰って改めて行為に及び教え通り『ここにイザナキノ命、先に「あなにやし、えをとめを。」と言ひ、後にイモイザナミノ命「あなにやし、えをとこを。」と言ひき。かく言ひおえて御合して、うめる子』が『大八島國』なる我が日本国であった、と古事記に記してある。(『』内は古事記の本文)。

何という「大らかさ」か!若干の好色さを交えながらノビノビと語られるこのような建国記は世界に比類無いであろう。

明治維新以来一世紀半に及んだ国の形が今、問い直されようとしている。マスコミは早くも「3兆円の補正予算削減が2.5兆円に留まっている」などと批判し始めている。しかし考えてみれば僅か1ヶ月足らずで2.5兆円もの無駄(何を基準とするかは別にして)があぶりだされた現実は、維新以来の官僚組織を中心とした中央集権体制が著しい制度疲労に陥っていたことの証に他なるまい。

「蜜月の100日」も未だ終わっていないのだから永い目で民主党政権を見守ろうではないか。何といっても「古事記の国」なのだから。

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