今年の目標は睡眠と排泄を良好に行うことです。初孫の成長に置いてきぼりにされないように良い睡眠と毎日の規則正しい排泄で健康維持に努めることにしたのです。飲酒が睡眠の質を害うことは医学的に証明されていますし私自身の経験に照らしても実感していますので、週に最低でも二回、できれば4回休肝日にしようと目標を立てたのですが今のところ週二が精一杯です。ここ二三年酒がそれほど旨いと思わなくなって半分は惰性で呑んでいたところもあったのでタイミング的には丁度良かったのです。呑まなかった日の寝覚めの頭はすっきりで快いのでもうあと一日は不呑日を増やすべく努力中です。
排尿排便の不都合を初めて経験したのは二十年ほど前でした。お漏らししたのです。尿意を催してトイレに行って便器の前に立った、チャックを開く前にチョロっと洩らしてしまったのです。慌てて前を開いて排尿したのですが結構濡れていました。帰宅して自分で洗おうと思ったのですが、これからもこんなことは度々起こるにちがいない。その度に洗うのか?そう自問して結局洗い物の中に忍ばせることにしました。妻は何も言いませんでした。洗う前に乾いていたのかも知れませんしそうでなかったかもしれません。そのまま何事もなかったように過ぎました。お漏らしはそれ以後まったく起こらないまま何年も過ぎて二年ほど前から急に、それも頻繁に起こりだしたのです。いわゆる「頻尿」気味になって、特に出かけたときにその傾向が強いのです。出がけに済ましたはずなのに駅につくともう尿意が起る。電車で行先に着くとまた……。こんなことが毎回起きて、間に合わないことも何度かあって。排尿に関してはとにかく慎重の上にも慎重を期して、前もって前もって対処するしかないと覚悟しています。
何年か前老人会の世話役をしている知人が、年一回のハイキングの企画をするとき頭を悩ますのは行程にトイレがあることの確認だと言っていたのを思い出しました。そうか、こういうことなのだと今になって納得です。この種の苦労は他人事と思っていたのですがとうとう自分も仲間入りしたようです。
12日の毎日新聞に「コンチネンス」の記事がありました(滝野隆浩の「掃苔記――「排せつ」の話をしよう」)。「コンチネンス」というのは「排泄がうまくいっていること」で「禁制」という日本語が当てられます。ですから反対語は「失禁」です。この記事の抜粋を以下に記します。
「高齢社会をよくする女性の会」の4月例会が(略)NPO法人「日本コンチネンス協会」の小島みさお副会長が「もっと話そう排せつのことを!」という講演をした。(略)まずは「尿の基礎」を学ぶ。腎臓でつくられる尿の量は1日で1~1.8㍑だという。また1回で出る量は0.2~0.5㍑。健康な人は日中4~8回、夜間0~2回トイレに行く。1回の時間は約30秒(略)さらに尿意を催してから1時間は我慢でき、尿意がなくても出せる――のが正常だという。/協会の窓口には「せきやくしゃみのときに尿が漏れる」「行きたくなったときには間に合わない」などの声が多く寄せられる。「トイレのことが心配で、友人から誘われてても旅行にいけない」という悩みは切実だ。家にこもりがちになれば、孤立や認知症の問題につながっていく。/男女差がある。尿道が短い女性は「漏れやすい」し、長い男性は「尿が出にくく」なりやすいという。(略)尊敬する大学名誉教授と10年ほど前、視察旅行をしたときのことを思い出す。1日の視察を終えてホテルに着き、一緒に温泉へ。浴衣に着替えるとき先生はぱっとズボンを脱いだのだが下はオムツだった。でも、堂々としていた。先生は「老い」というものをそのまま受け入れている。そう感じた。/小島さんは予防のため、骨盤底筋の筋トレを推奨している。椅子に座り校門を「早く」締めたり緩めたりを10回繰り返す。続けて3~5秒間、、締めたままにする「ゆっくり」を5回。「急・緩」の筋トレを1日3セットやる。「これ、どこでもこっそりやれますから!」
尿の量と排尿の回数という基礎知識さえ知らなかったことを恥じます。夜中にトイレに行くことを悩んでいた人は多いでしょうが2回は普通だといわれて安心です。健康診断で尿意がなくても検尿のために紙コップに採尿させられるのを理不尽と思っていましたが健康であれば出せて当たり前なのですね。骨盤底筋の筋トレは今日からでもやってみよう。
大学の先生の振る舞いはいずれその時は来るでしょうから見習いたいものです。(しかしオムツは介護の方から禁句――紙パンツと言ってほしいと教えられました)。
不満は「排便」についてまったく触れられていないことです。高齢になるにつれて規則正しい排便が出来てない人は圧倒的に多いはずです。是非「便の基礎知識」を教えてほしいものです。
それにしても「夜間頻尿」「尿失禁」やら「便秘」や「睡眠不良」だかの広告の何と多いことでしょうか。年寄りの弱みにつけ込んだ、しかも効果の疑わしい健康食品や機能性表示食品がほとんどです。なぜ野放しのままなのでしょうか。最近小林製薬の「紅麴」製品が問題になっていますが健康障害が起こってからのことです。
健康保険で医療費を1割負担という優遇を受けておきながら効果のあやしい健康食品に3千円も5千円も費やす今の「国民(高齢者)の健康意識」に疑問を感じます。
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