大谷翔平選手が40-40を達成しました。夏の甲子園優勝校京都国際の韓国語校歌について不愉快なヤリトリがSNS上に溢れていた「うっとうしさ」を一掃してくれました。今年これまで何度彼に救われたことでしょうか、益々の活躍を祈るばかりです。テレビのチャンネルを変えまくって、スポーツ新聞まで買い込んで彼の偉業を味わい尽くした中にこんな記事がありました。
「ルール改正追い風」昨季から走塁に関するルール改正がありました。その1、投手の牽制数が制限されたこと――1打席の間に2回まで、3回目で失敗すればボークにされる。その2、ベースの1辺が約7.6cn拡大されたこと。これで走塁の距離が短くなり、スライディングでは野手のタッチがよけやすい利点が生まれた。他にもクレイトン・マッカローコーチとの関りも重要な要素として記者は揚げていました。塁間15cmは微妙な短縮加減ですが回数制限は投手心理に影響しているにちがいありません。素人考えで歩幅が広いからなどと想像していましたがなるほどこんなところに記録の背景があったのかと感心させられました。
それはさておき異常な酷暑もなんとか過ぎてくれたようです、週間予報に35度を超える日がなくなりました。台風も来ていますからすんなりとはいかないでしょうがヤレヤレです。自宅はI型のマンションで風通しのすこぶるいいつくりになっていて、東西の掃き出し窓を開いてしきりを無くすと家じゅうの空気が入れ替わります。西陣の築100年近い古家から引っ越した初年はエアコンをつけたのは10日ほどしかありませんでした。桂川のすぐ側というローケーションと二つの学校と公園と田圃という立地もあったのですが本当に過ごしよい環境でした。しかし20年も経つと様子は一変、ここ4、5年は電気代が年金生活を脅かす状況に至っています。それでも習慣というものはおそろしいもので今でも窓を開いて風通しを良くしようとしてしまうのです。遮光断熱の厚めのカーテンに付け替えたのは外気の38度以上の高熱を遮断するためだったはずなのですがカーテンは閉めて窓を開けたままでいるのですから何の効果もありません。しかし感覚的には風通しを良くすれば涼しくなる、という昔ながらの思い込みが残っているのです。
同様のことは最近流行の「ハンディ扇風機」にもいえます。風を浴びれば涼むとという固定観念と流行もあって老いも若きも扇風機を持ち歩いていますが、38度40度の外気の中で風気を掻き回しても何の効果もないわけですが熱風であっても風が動けば涼しく感じるのでしょうか。
何年か前から一日に3、4回濡れタオルで体を拭うようにしています。外から帰った時はもちろんのこと家に居ても上半身から太もも、膝周りまで拭うとスッとします。扇風機にあたると爽快感は一層アップします。今年は外出時にも濡れタオルを2枚携行するようにしました(ウエットティシュはたよりないので)。汗が出たら拭うようにしたのです。扇子の風に涼味が加わって少しは暑さがしのげます。
暑さ対策でもっとも効果があるのはベランダのコンクリート壁の水撒きです。午前は東側のベランダを、午後は西側をホースで水撒きします。夕方日の陰ったコンクリート壁に含まれている熱気は側によると肌をさす勢いです。そこでもう一度水をかけるとサーッと涼風が立ちます、昔柄杓で水撒きしたことを思い出します。
暑さ対策で大事なことは「温湿度計」の活用です。マスコミはエアコンの24時間使用を奨励しますが――なかには就寝時もエアコンを効かして冬用寝具で過ごせなどと煽っていますが――それぞれの「家屋」で状況はまちまちですから一律に決めつけないで最適で経済的なエアコン使用法を見出すと良いでしょう。一戸建とマンションでは条件が違いますし、わが家では気温30度湿度55%を目安にしています。風通しが良いので30度を超えても湿度が45%程度なら汗も出ませんし不快感もありません。反対に外気の条件では28度55%でもたまらなく不快なときもあります。基本条件を定めたうえで自分の感覚にも頼って暑さに耐えていくしかありません。
この夏公園仲間がとうとう4人になってしまいました。毎朝近くの公園で顔を合わす知り合いが何人もいました、公園で体を動かす人と散歩の途中で一休みする人、挨拶をするだけで名前も聞かず家庭状況も知らない同士ですが顔を見れば安心する、そんな緩いつき合いで10年20年過ごしてきました。立派な体格で誤診で大腸がんと診断されて「馬鹿にしとる!」と憤っていたひとが半年たたないうちに脳卒中で亡くなったり、会津から東日本大震災で引っ越してきたチャキチャキの伊達な女性が名残惜しそうに横浜に去って行ったり、入れ替わりがあっても顔なじみが両手に余るほどあったのに、この夏とうとう3人になってしまいました。グランドに幅10m鷹さ7mちかい壁があって「ソフトボールの聖地」と呼ばれているこの公園で毎朝壁投げに興じる「壁投げのおっちゃん」、クリケットの選手でシニア代表でニュージーランド大会にも行った人、学生時代からゴルフの選手で今でも10台のハンデを誇るおにいちゃん、そして私。64才から10年間テニスに没頭して毎朝壁打ちトレーニングで顔なじみになった4人。壁投げのおっちゃんが私より1才上の83才、クリケットとゴルフのふたりは78か79才。壁投げのおっちゃんは半年前顔面に猛打を打ち込まれた後遺症で休みがちですが顔を見せればまだまだ元気でスナップスローで壁まで15m楽々当てる実力者です。
異変をもたらしたのはコロナと暑さでした。コロナでいっぺんに出てくる人が減ってその上この暑さです。夫婦で早朝散歩を楽しんでいた二組が連れ合い(夫)が亡くなっていつのまにか顔を見なくなりました。この暑さは年寄りには「酷」です。よほど細心に対処しないと80才を超すとやられてしまいます。
戦争で死ぬのと暑さでやられるのと。そんな「窮極の選択」の時代になってしまいました。