2009年6月27日土曜日

初動捜査

 先日公園で盗難バイクを見つけた。ナンバープレートの下半分(数字部分)が引きちぎられていて、あとで草むらからそのプレートが捨てられていたのを拾ったのでプレートの切れ端を持って交番へ届けた。警官が「西京区ナンバーでしたか」と訊ねたので「そこまでは見ていない」と答えたが彼は無視して本署へ「西京○○○○」で盗難車検索を問い合わせた。急いでいたので「夕方又来るから」と帰ろうとするとそれは駄目だと言う。「単なる拾得物ではないので調書を作成しなければなりません」と盗難車両が特定できるまで待ってくださいという。暫くして本署から電話があった。「コンピューターの調子が悪くて検索ができませんので帰っていただいて結構です」という。あっけにとられて帰ってきた。

 警察の初動捜査のミスにまつわる不祥事が多いがさもありなんと思う。私の例で言えば▽西京区であるかどうか公園へ行って確認していない▽本署のコンピューターの作動不良で検索が捜査初期に行えなかったのは明らかにミスである。たかが盗難車の捜査だがこんな初歩的な捜査ですら基本的な手順が踏まれていない。

 

最近何かといえば創造的な仕事がしたいとか自分に合った職業につきたいという若者が多い。学校教育でも画一的でない創造性に富んだ、子供が興味を抱く教育が良しとされている。しかし実際の仕事というものは九割方決まりきった手順を踏む退屈で単純な繰り返し作業で構成されておりそれを愚直に実行することが求められる。創造性の必要な割合など殆んどの職業で一割にも満たないであろう。そして不思議なことに創造力というものは愚直な手順の繰り返しの中から生まれることが多い。単調な日常の作業を蔑ろにしていると創造力を発揮する機会に恵まれないのだがそれに気づく前に次の職に移ってしまうのが昨今の傾向のようだ。決まりきった事を愚直に繰り返すことの大切さを今一度知るべきであろう。

私の母校の校是は「平凡の偉大さに徹せよ」である。

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