2010年12月13日月曜日

現場主義

 先日のこと。公園にゴミ拾いにいくと菓子の食べカスが大量に食い散らかしてあった。一体誰が?そこで近くにいた小学生に意見を聞いてみた。「こんな散らかしをするのは小学生か中学生かどっちだと思う」と。「僕らと違うよ」と先ず防御線を張ってからめいめいに考えを言いだした。「こんな幼稚なことをするのは小学低学年やと思うんやけど」というと即座に「違う。小学生やとしたら高学年やな」と皆が言う。遠巻きにしていた中から一人が進み出るとつぶさにゴミを点検し始めた。「そうや、食べたもん調べたら誰か分かるな」そういうと皆がてんでに「これは小学低学年や」「こっちは中学生や」などと品定めをやってくれたが結局結論は出なかった。

 子どもだからこそだが、菓子の種類で食べる層が異なっておりそれを調べればゴミを捨てたのが誰だか見当付けができるとは、私には想像もできなかった。賢い子はいるものだ。

 先週の日曜日「これからの協働社会のあり方を考える」円卓会議というものに出席した。「新たな市民参加推進計画の策定に当たっての提言(案)」を検討する会議であった。大学の教授と准教授が座長と副座長を占めていてふたりから資料説明と会議の進行について話があって会議が始まった。パブリックコメントやワークショップなどという今時の言葉が巧みに織り込まれたパワーポイントで作成された見映えのいい資料を読み進むうちに『奇異の念』を抱いた。何十年も前から市政協力委員やPTAなどで市政協力(参加)している既存の市政参加や市民活動が全く考慮されていないのだ。現状把握と検討、それらの評価を踏まえた関与の仕方がないままに、全く白紙の状態から市民参加を構築していくようなアプローチが図表化されている。何より、何故今、行政側からのこうした働きかけが必要であり、望ましいあり方はどうかという方向付けが全く示されていないから、総花的で提言の絞り方が見えないことが致命的に思えた。

 准教授にその旨の不満を述べると正直に不備を認め、今後の審議会に反映していきたいと言ってくれたうえに、帰り際わざわざ会議室の外まで送ってくれたのをみると私の指摘も少しは役立ったのかも知れない。

 それにしても子どもの堅実な現場主義が頼もしく思われたことであった。

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