2010年12月6日月曜日

糾(あざな)える縄

 第30回ジャパンカップは後味の悪い結果に終わった。1着入線のブエナビスタが降着になり繰り上がりでローズキングダムが優勝馬になった。直線でブエナビスタがローズキングダムの走路を妨害したとして審議の対象となり降着という判定になった。この結果について2つの視点から考えてみたい。

 ひとつは「妨害がなければ着順が入れ替わったか」ということ、もうひとつは「何故名手スミヨンが抜け出したあとで右鞭を入れて斜行させたか」という点である。先ず何故スミヨンがあの時点で右鞭を入れたかについて考えてみよう。この件については武邦彦調教師がサスガという見方を述べているのでスポーツニッポン11月29日の記事から引用する。「騎手の感覚からいうと、あの勢いで抜け出せば後続との距離は瞬時に開く。ところが後ろが普通の馬じゃなかった。スミヨンは抜け出したから大丈夫と勘違いした。ローズが離されずに食いついていたからこそ、走路妨害のインターフェアーが成立した」。4着ジャガーメイルのライアン・ムーア騎手が「(降着は)間違った判断」といっているのはこの『騎手の感覚』での発言だろう。世界で活躍するスミヨンやムーアの感覚ではブエナのあの抜け出し方からすれば抜かれた馬は絶対に食らいついていけないはずなのだ。ところがローズはそこから立て直して驚異の追い上げを見せ1馬身3/4の0.3秒差まで追い詰めた。
 「妨害がなければ着順が入れ替わったか」は定かではない。しかしスミヨンやムーアの常識的判断以上に着差が縮まっていたことは間違いない。ローズファンの贔屓目からは逆転はあったと信じる。
 長すぎた審議の前後で禍福が入れ替わった。有馬記念での決着に期待する。

 海老蔵の傷害沙汰に関して一言。海老蔵と新婦麻央さんの結婚がマスコミを賑わしていた頃、一部の芸能ジャーナルが「勝ち組麻央、負け組麻耶」などと揶揄することがあった。更に酷いものは『上げマン下げマン』などという下品な表現をすることもあった。しかしこうした事態を迎えてみれば果たしてこの結婚がそんなに『人の羨むもの』であるかどうか。大体「勝ち組負け組」などという表現は一面的なもので人の長い人生から見れば浅薄極まる評価に過ぎない。
 7月の結婚式から僅か5ヶ月足らずで暗転した二人の結婚生活は正に「禍福は糾える縄の如し」である。
 もう少し長い目で、幅広い見方で物ごとを考えてみてはどうだろうか。

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