2011年4月11日月曜日

大相撲八百長問題の本質

 世界の国々から届けられる東日本大震災へのエールに心打たれる。はるか遠くの名も知らない、多分我国より貧しいに違いない国の子供たちのメッセージや乏しい中からの救援物資提供には胸がジンとくる。しかし視点を変えればそのような応援や支援を引き出すような報道がされているという事に他ならない。
 政府は原発事故の正確な情報を開示するべきだ。今のようなあいまいなこま切れの情報提供では反って疑心暗鬼を増幅する。更に震災復興のための赤字国債発行による財政破綻懸念を払拭し、国債増発無しに復興資金のファイナンスが可能である事を国内外に明言することが急務である。明確な方向性を何一つ打ち出さないで情報隠匿を続ける政府の対応は国の根幹に悪影響を及ぼす見方を世界に植えつけてしまっている。
 
 大相撲八百長事件に相撲協会が一応の解決策を打ち出した。しかし以前書いたように「資本と経営の分離」を厳格に行わない限り根本的な解決にはならない。具体的にいえば「巨大な既得権益」を解消する組織改革を行い『健全な競技団体』へ脱却する事無しに八百長問題の根本的解決はありえない。

 大相撲は700名超の力士と105名の年寄り(親方)で構成された組織である。これを収入面から見ると力士の年収総額約18億円に対して年寄りの年収も約17億円と殆んど差がない。しかも力士が十分な収入を支給されるのが十両から幕内の短い期間であるのに対して年寄りは65歳の定年まで保証されている。実際の競技者の報酬に比して管理者層である年寄りがここまで優遇された歪な報酬体系が温存された組織は余りに異常である。いってみれば700名の若い競技者に105名の年寄りが寄生しているのが現在の「(財)日本相撲協会」という組織なのである。このあり様の根本的な改革こそ八百長問題解決の本質なのである。(以下に資料を記載する)

▼年寄りの総数105名、年寄りの平均年収約1600万円▼力士総数721名(平成22年9月場所)①横綱の年収4550万円(2名として算定、以下同じ)②大関3700万円(4名)③三役2600万円(6名)④平幕2000万円(28名)⑤十両1600万円(28名)⑥幕下90万円(120名)⑦三段目60万円(200名)⑧序二段48万円(256名)⑨序ノ口42万円(77名)(ウィキペディアより)

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