2011年4月4日月曜日

神話の崩壊

 風邪を罹いてしまった。定番の予兆である膝の悪寒と後頭部の間歇的な痛みが今回もあった。いつもなら体が温まる頃には治まるのに今回は一日中続いた。特に後頭部の痛みが夜中も止まなかったので病院へ行くことにした。肩こりではないかという妻の意見を入れて整形外科へいくと触診で右下後頭部の部位を特定した医師の指示でレントゲン写真を6枚撮影された。「脊椎に痛みの伴うような歪みが見られませんので原因が分かりません。MRIを撮ってみましょう。予約をして帰ってください」。エッ!?と思った。待ってくれよ、頭が痛くて夜も寝られなかった患者が貴方を頼ってここにきているのですよ。それなのに痛みを解消する応急処置も施さずに帰すんですか!
 結局こちらからの申し出でで温湿布薬を処方して貰うことができた。そしていつもの通り風邪の症状が治まると共に後頭部の痛みも消えていた。

 東北関東大震災の原発事故に終息の見通しが立たない。官房長官等による広報の『あやふやさ』が農産物の風評被害を甚大にしてしまった。出荷停止、摂取制限などと基準を不明確にしたまま地域を包括的に決定して発表したために農民の被害は想像以上の長さと深さになることは間違いない。何故こんなことになってしまったかの原因は『明確』である。発表に伴う「保証」を発表する側―政府であったり東電であったりペーパーを作成する官僚であったり―が認識しないままに「ことば」がひとり歩きしたからである。すべて『政府買取り』にすべきであった。役人は価格設定が困難だなどと屁理屈をいうに違いない。民主党のバラマキの最悪である「農家戸別補償」に比べればどんな暫定価格でもいいではないか。8割方の保証を発表時点で行い最終調整はずっと後でいい。とにかく即時補償することで「国がわれわれを護ってくれている」という安堵感を被災者に与えることが早期の時点で最も肝要事である。これまでの政府の対応のすべてに補償の裏づけがみられないことが被害を大きく深くしている。

 サルコジ大統領の緊急来日は原発事故に対する我国の対応が世界基準に照らして「不適切且つ不適時」であるという世界世論の表れであろう。我国原子力産業への信頼は地に落ちてしまった。

 「ものづくり世界一」という神話は今回またも傷つけられてしまった。

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