2012年2月13日月曜日

かかりつけ医

風邪をひいてしまった。というよりも風邪気味であったところへ食あたりが加わって一挙に重篤化して寝込んでしまった、というのが正確なところだ。土曜日の朝、嘔吐感におそわれ黒い胃液と生臭い未消化物を吐き出した。朝食にトーストとバナナを牛乳で流し込もうとしたが、パンの耳が食道を通過する時激しい痛みを感じた。ソファにへたり込んで一日動けないでいたが体温は37.2度以上にはならなかった。全身を倦怠感が覆い、胃を絞り上げられるような痛みが断続的に続く。こんな経験は一度も無い、何かが今までと違う。ひょっとしたらインフルエンザではないかという不安がよぎる。食い意地が張っているのか「いやしんぼ」の私なのに昼食も夕食も全く食慾が湧かない。「いらない」と夕食を断ると「初めてね」と妻が驚く。「病院行ってみたら」娘がインフルを気遣っている。
 
 月曜の朝病院へ行くとインフル流行のせいか患者の数が一通りでなく随分待たされた。30歳代の医師は問診、触診、エコー診断を的確に経た後「軽い食中りですね。インフルの心配はありません。柔らかいものを少しだけ摂って4、5日安静にして下さい」と診断してくれた。
「食中り」。考えもしない病名だった。頑健ではなかったが胃腸だけは強く宿酔以外は嘔吐の経験がない。家族皆同じものを食していたのだから私ひとりが食中りしたのはやはり体力が弱っていたのだろう。こんな場合以前なら間違いなく病院へ行っていたのだが65歳を過ぎた頃からその習慣を改めた。日頃から体力増強に努めもし体調に異変を来たしても食事、睡眠と水分の小まめな摂取で自然治癒を図り薬は売薬で済ますようにした。今回も葛根湯、バファリン、セルベール整胃錠を服用したが全く効かなかった。
 
近所にあるいくつかの医院から「かかりつけ医」を見つけようと思う。「医者と患者」という堅苦しい、私が子供の頃の『えらいお医者さん先生』ではなく、医療に精しい近所の友人、といった存在のひとを見つけよう。仲良くなってちょっとしたことでも気軽に相談できる『良好な関係』を築こう。「早期検診」で大病を予防するのが年相応の健康法だろう。素人の生兵法ならぬ医療知識は役立たずなことを思い知らされた。

医療改革も「かかりつけ医」で止めてほしい。

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