2015年4月13日月曜日

私の「戦後70年宣言」(続)と「自由からの逃走」

自由からの逃走
 
ディズニーランドやUSJが大人気です
ゲームにみんな夢中です 子どももおとなも
でも ちがうなぁ
 
自由ってたいへんだなぁ
仕事が無くなって 思いました
「檻の中の自由」 「自由からの逃走」
 
遊びの反対語は
仕事 真剣 真面目
ちがうなぁ
 
公園から こどもが
消えました
児童館へいっているそうです
 
顔知りのこども
街中で
コンニチワ と声をかけたら
じっと顔を見て
逃げ出しました
母親になにかを伝えています
スミマセン といった風に
母親が こちらをみて
頭を下げました
 
みんな貧しかったから
いっしょになって
おおきな子も ちいさい子も
おもしろいことを さがしていました
ヨシ それやろ!
言いだしっぺが 人気者です
 
 今とちがう 生き方がしたい
「学力」と「管理」と
無縁の 
 
なにもなかった
でも 夏の 太陽が
まぶしかった! 
 
八月十五日の 焼け跡!
 

 
私の「戦後70年宣言」(続)
 
 この10年間で日本も世界も想像を超えた変化と混乱を示した。我が国では小選挙区制の「一票の格差」に象徴される東京(圏)一極集中と政治の不安定化が加速した。格差是正を訴える大都市有権者の傲慢さにどこからも批判が起こらないことに苛立ちを感じる。世界的には経済のグローバル化に伴って『国境』が溶融し「Nation state」が揺らぎ始めている。「競争と成長」の経済は21世紀には機能し得ない可能性が急速に高まりつつあるように感じられ、第二次世界大戦の戦勝国が構築した「戦後体制」に経年劣化が顕著に現れている。一方新興勢力の旗頭であった中国に反政府活動が頻発するようになり体制維持にキシミが出てきているのは次への変化のキザシかもしれず、もうひとつの超大国インドを含めて人口大国を如何に世界体制に納めるかを先進諸国が国益を離れて真剣に検討すべき時期に差しかかっている。
 
 我が国が明治維新以来進めてきた「近代化=西欧化」が地下鉄サリン事件と福島原発事故で否定されたように、世界的にも「西欧先進国の価値観」を発展途上国に移植することに行き詰まりが見られるようになってきている。こうした現状をかんがみるとき中谷宇吉郎が師・寺田寅彦にみた我が国の特色を生かした世界への貢献のあり方はひとつの方向性を暗示している。
 『ルクレチウスと科学』の中にも書かれたように、現在の科学の考え方はギリシャ時代の形式とほとんど変わっていない。もっと他の形式の物理学が成立しても良いはずで、特に全く異なった文化に育まれた日本人にそれが不可能であるとは思えないという風の意味のことを始終考えておられたようである。そのつとして、「形の物理学」などは大分先生の頭の中で発酵していたのではないかと思われるのである。近年ひどく興味をもたれていた割れ目の研究などもその顕著な現れの一つではなかろうか。そのように考えると、なんだか一番大切な仕事が先生の頭の中に蓄えられたまま、永久に消えて行ってしまったような気がしてならない。(中谷宇吉郎集第一巻「指導者としての寺田先生」より)。
 一神教諸国の考え方が世界大での「宥和」に不向きなことが明かになりつつある今、価値観の多様化を容認する我が国のような文化に世界を収斂する試みが現れることを期待したい。
 
 「政治と経済」が絶対的な優位性を保持して近代社会は経営されてきた。そしてその結果が現在の「混沌」である。哲学は不在となり宗教は近代化を果せず芸術は「消費財」に貶められた。ではどうすればいいのか。
 「(エルネスト・サバトは「破壊者アバドン」のなかでこう言っている)哲学に見捨てられ、何百もの科学的な専門化によって細分化された現代社会にあって、小説は人間の生を一つの全体として見渡すことができる最後の観測所として私たちに残されているのだと。(ミラン・クンデラ『カーテン』より)」。我が国でも荒川洋治は「文学は実学である」といっている。
 既存の秩序が溶融し政治と経済では統合不能の混沌に陥ってしまった今、それを収拾し再統一するには混沌の一因に宗教があることを考えるとき哲学と芸術が相応しいのではないか。「豊かさ」を「必要」を充足する範囲に限定し、政治と経済の機能を「貧困からの解放」に特化させ、「幸せ」の基準を「成長」から解き放ち、それに変わって健康、安定、尊敬、人格又は自己の確立、自然との調和、友情、余暇等に置き換え、哲学と芸術を価値の源泉とするような世界を再構築することが21世紀に生きる我々の『責務』と考えるべきであろう。
 
 「21世紀最大のテーマは『無極時代の平和』の構築である」。これがコラム連載10年目の結論であり、そして私の「戦後70年宣言」である。
 
(終り)
 
 
 
 
 
 
 
 
 

 
 
 
 
 
 
 

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