2019年8月12日月曜日

よくぞ男子に生まれけり

 暑い!とにかく暑い!連日の猛暑日(セ氏35度以上の日)は年寄りには堪える。テレビは熱中症予防を注意喚起しているがちょっと気にかかるのは「エアコンのつけっ放し」推奨。確かに猛暑日にエアコンをつけないで水分補給を怠れば熱中症になる確率は相当高くなるのは否めないが、だからと言って「エアコンつけっ放し」に結びつけるのはいかがなものか。
 まず言っておきたいのは「汗をトコトンかく」ことの体への効果について。75才までテニスをしていた経験からいうと夏の暑さのはじめに一度か二度、トコトン汗をかくと「毛穴が開いて」暑さの調整機能が発揮できるようになることだ。今の我々の生活は家でも会社でも交通機関や種々の施設でもエアコンが完備しているから全身汗みどろになるということがほとんどない。「毛穴が開く」ということのないまま夏をすごしている。こんな経験を繰り返していると身体が本来持っている「発汗による体温の調節機能」が衰えてしまうにちがいない。いわば「文明病」というやつで「肉体の退化」に他ならない。そうならないように夏のはじめに意識して汗をかくことが大事だと思うのだがどうだろう。
 もうひとつ忘れられているのが「湿度」。我が家は鉄筋コンクリートづくりの集合住宅だが外が35度を超えても室内はめったに30度以上にはならない。それより辛いのは湿度で60パーセント以上になるとたとえ室温が29度でも耐え難く反対に室温32度でも湿度が52パーセントなら不快に感じない。そこでわが家では室温30度で湿度60パーセント超えをエアコン使用の目安にしている。ちなみに今年湿度が60パーセントを超えた日はまだ五日もない。
 とにかく自分で判断基準をもつことが大事で最近はテレビが詳しい天気予報を伝えてくれるからその情報に「引っ張られて」しまっている場合があるから注意がいる。テレビは東京の情報が中心だから必ずしも地元ぴったりという訳ではないのについついその気になっていることもある。キチンと自分の判断基準で管理することが肝要だ。
 東京中心が目に余るのは、先日も東京の私鉄電車の停電事故があったがこんな情報は「東京ローカル」で放送すればいい訳でなにもNHKの「7時のニュース」で取り上げるニュースではない。こうした例は数々あって地方人には不愉快極まりない。付け加えれば「笑点」という長寿番組があるが、あの笑い(?)は「関西人」には絶対に受け付けられないもので、しかも「仲間内」だけで通用する「おふざけ」を見せつけられるなどたまったものではない。あの番組が全国で楽しまれていると考えているのは東京キー局の独りよがりであるということを肝に銘じて欲しい。
 
 独りよがりといえば先の「年金不足2000万円問題」もそうで、どこの年寄りが20万円そこそこの年金生活で借金するものか。20万円なら20万円なりの生活をするのが普通人の感覚で、エアコン費用節約のためならベランダのコンクリート塀に打ち水をする工夫もすれば、夫婦ふたりの気兼ねのない生活なのだから上半身はだかになって濡れタオルで身を拭って扇風機にあたって身体を冷やす、これだけやればエアコンは台所で火を使うとき位の使用で済ませられる。驚いたことに金融庁は独自に「3000万円」不足という試算もしていたが、それは自動車の乗換えや築30年も経てば家屋の改築・修繕も必要だろうとその費用も計上しての試算だというから恐れ入る。高齢者の交通事故の多い昨今、免許返納が薦められている状況をどう考えているのだろうか。築30年といえば80才近いはずでそんな齢になって改築できる人はお役人上がりの余程恵まれたクラスに限られている。お役人がお為ごかしに「しもじも」を慮って統計をひねくり回してパソコンで弾き出したような独りよがりなデータで「政策」を立案しないで頂きたい。そんな暇があるなら考慮の対象外として『無視』した「国民年金」だけの年金生活者の月10万円~15万円の不足額をいかにして「補填」するかの「政策」を考えるべきでそれこそ「健康で文化的な最低限度の生活」を保障する憲法の下にいる「国民の奉仕者」たる「公務員」の務めというものではないか。
 
 最近つくづく思うのだが、これだけAIやロボットがもてはやされてデータ、データという世の中になってしまったらデータ化が困難な『歴史』などはどう扱われるのだろうか。例えば、最近中ロが接近してわが国へ「共同干渉」するのではないかと危惧する向きもあるようだが、少しでも歴史を知る人なら中国とロシアが友好関係を結ぶことなど「絶対」にあり得ないと確信しているにちがいない(万が一共同歩調を示すことがあってもそれは一時的なもので終わること請け合いだ)。また韓国のここに至っての抗日姿勢の先鋭化も、かの国の二千年に及ぶ中国の属国としての歴史を考えれば致し方のないことで、虐げられた歴史のもたらした「猜疑心」の強い「ゆがんだ」物の見方「僻みっぽさ」は国民意識として当然のことと知っておくべきなのだ(決して貶める気持ちで言っているのではない)。二千年以上中国の朝貢国として隷属してきた桎梏からやっと解放されると思った日清戦争の後に日本の植民地に落としめられたのだから「怨み骨髄」になっても仕方がない。京都の人なら東山の豊国神社前にある「耳塚」を知っているはずで、これは秀吉の朝鮮征伐の時敵将を討ち取った証として首級の変わりに「耳」を持ち帰ったものを葬ったもので、朝鮮人の秀吉と日韓併合時の統監だった伊藤博文に対する恨みは根深いものがあり伊藤を暗殺した安重根は祖国の英雄として今でも尊敬を集めている。開高健が言っているように民族の恨みが消えるまでには「三代 百年」の時間が必要なのであって植民地時代の暴虐を経験した世代が完全にいなくなる「2050年」までわが国は朝鮮民族に対して『贖罪』を覚悟するべきなのである。
 
 中国をみるときも、中国三千年の歴史には『易姓革命』の思想が民族の深層心理に脈打っていることを知っておれば、高度経済成長が終わり国民への富の配分が先細るこれから、習近平体制は決して安泰でなく共産党独裁がこの先も永続していくかどうかも極めて危ういであろうことは習近平その人が一番よく知っているにちがいない。ちなみに『易姓革命』とは、天は己に代わって王朝に地上を治めさせるが徳を失った現在の王朝に天が見切りをつけたとき、革命が起きるという儒教に基づく思想である。
 
 ベランダのコンクリート塀に打ち水して濡れタオルで汗を拭い、扇風機の風に当たりながらパンツ一丁でタオルケットに寝そべって本を読む。
 よくぞ男子に生まれけり!
 
 
 
 
 

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