2022年9月5日月曜日

じじバカ日誌(22.9)

  早いものでもうすぐ5ヶ月になります。先日の4ヶ月検診で標準より身長が5センチも伸びていることが分かっておお喜び、体重は標準だったので「家系」的に突然変異の「スラリ長身」のイケメンになるのではと早トチリのハシャギ方に「じじバカやね」と娘に笑われてしまいました。幼児の定期検診は1ヶ月、3ヶ月、半年が標準なのですがそれ以外の月でも助産師さんが家庭訪問して大ざっぱな発育状態のチェックや育児相談にのってくれるのが最近の傾向のようです。

 孫自慢をもうひとつさせてもらうと「寝返り」が3ヶ月手前から始まったのです。ハイハイはまだですが最近の状況を見ているともうすぐできそうな気配です。寝返りは4~6ヶ月、ハイハイは8~10ヶ月頃が標準とされていますから孫の場合は随分早い成長度合いといえそうですが、これは思いもかけないことがキッカケになりました。ウチでの40日の産後養生を経て自宅に帰った娘は、寝室は2階、家事は1階という設計になっていて家事をするとき2階のベッドではなく1階のフロアにフトンを敷いて目が届くようにしたのですがこれが思いがけず孫の成長にいい効果をもたらしたのです。狭い「囲い」から解放されてノビノビできたのでしょうか動きが活発になってその延長が「寝返り」につながったのです。最近は声もよく出すししばしば笑うようにもなって順調に成長してくれて嬉しい限りです。

 成長を感じたこんな場面がありました。婿さんの道楽が「スキューバダイビング」でコロナの自粛でかれこれ5年以上モグリができなくなってていたのですが、4ヶ月も過ぎて子育てにちょっと余裕もできた8月の夏休みに高知の柏島へ3泊4日出かけたのです。婿さんが帰ってきて父親の膝に抱かれて親子3人で写った写真で見せた孫の「安心しきった」「ちょっと満足気な自慢気な」表情がお母さんだけでなくお父さんともしっかり「親子の絆」ができていることをうかがわせて安心しました。

 

 孫ができるまでほとんど見ることのなかったテレビの育児番組や新聞記事に目を通すようになってこれはと思う「教え」がありました。ひとつは「子育て」という言葉がもっている親主体の育児ではなく、子どもに本来備わっている「成長力」を育児の中心において親はそれを手助けするものなのです、という考え方です。もうひとつは「人間は強制早産」で生まれてくるという人類学の見方です。大型書店の育児書コーナーに行くと多くの本が並べられていますがそれだけの育児メソッドがあるのでしょうが、これではお母さんたちも迷うはずです。川上未映子の『きみは赤ちゃん』を読んで「マタニティブルー」に陥る人や「育児クライシス」に泣いているお母さんたちが溢れている様子が描かれていてネットには悩みの相談が数限りなく上げられているのも当然です。

 私もそうだったのですが、親は子どもを育てなければならないという強迫観念にとらわれています。しかし子どもには「育つ能力」が備わっています。それはどんな動物でも植物でも同じで生物はみな「放っておいても」育つものなのです。畑に種をまけばそのうち芽を出すのが自然なのですが、水をまき飼料をやれば生育が促進されます。子育ても同じなのではないでしょうか、子どものもっている「成長力」に手助けするのが親の役目だと考えれば、体重が標準より少ないと嘆いたり言葉の発達が遅いからといって不安にかられることもないのです。育児の教科書を絶対視してそれに当てはめて一喜一憂する、そうではなくて子どもの成長を注意深く観察して、何をしようとしているか、何がしたいのか、どこに注意すべきかを発見する能力が親にいちばん要求されるのではないでしょうか。よその子どもと比較するのではなく自分の子どもだけの「育児法」を見つけ出すのが親の役目だと思うのです。だってそうでしょう、どんな育て方であっても6才にもなればみな一応それなりに小学生になっているではありませんか。

 

 ただ人間には人間だけの特殊事情があります。それが「強制早産」で生まれてくることです。ほとんどの育児書には書いてありませんがこれこそ人間の育児の根本ではないかと思うのです。本来人間の赤ちゃんは胎内で12~14ヶ月成長する必要があるのですが、直立二足歩行するようになって骨盤が狭くなり産道が狭くなったことで10ヶ月で早産させなければならなくなったのです。母子の健康を守るための自然進化なのですが、考えてみれば首の据わった赤ちゃんが狭い産道を通るとなれば首を折って死んでしまうのは明らかです。そんな状況で生まれてくるのですから授乳も下手です、骨格も筋肉も内臓も未成熟なまま生まれてくるのです。だから「育とうとする力」が旺盛なのです。だから余計親は注意深く子どもの成長を見守らなければならないのです。子どもの成長しようとする力を阻害しないように育児するのがもっとも重要になるのです。

 

 うちの孫がそうだったようにベッドから解放したら寝返りが普通より2ヶ月も早くできるようになるなど8ヶ月頃まではベッドで育てたほうがいいという一般的な育児法には疑問もあります。それはひょっとすると「親中心の子育て」がそんな常識を生んだのかもしれません。それは「知育」を重要視する傾向にもうかがわれます。1才にもならない幼児には「知育」よりもっと大事なことがあるのではないでしょうか。人類の歴史を考えてみれば、手が自由になって道具を使ったことが人類進歩の重要な契機になりましたし、厳しい自然の中で武器となる器官がひとつもない弱い存在で助け合い共感する力が強くなったことも人類進化の大きな要素です。そんな人類の歴史を考えると「考える力」「手を使う能力」「仲良くする心」をどう引き出すかが育児の基本なのではないでしょうか。

 

 それにしても孫は可愛いいものです。なんとか健康に育って欲しいものです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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