2012年7月16日月曜日

魔球No1は誰か!

「史上最強の変化球」という特集が週刊ベースボール(7.23号)に掲っていた。No1はふたりいて「野茂英雄と佐々木主浩のフォークボール」が栄誉を分かち合った。つづいて「3位伊藤智仁のスライダー」「4位杉内俊哉のスライダー」が占めている。5位は「ダルビッシュ有のスライダー」だが「カーブ7位、フォーク13位」にランクされているところがダルビッシュの凄さか。以下「6位田中将大スライダー、7位村田兆治フォーク、潮崎哲也シンカー」「10位松坂大輔スライダー、岸孝之カーブ、浅尾拓也フォーク」がトップテンとなっている。ちょっと待てよ!誰がなんと言おうと魔球No1は「杉下茂のフォーク」だ、とオールドファンからクレームが入りそうだが、実は選んだメンバーが現役の選手、首脳陣、日本人メジャー・リーガーそして野球解説者を務めるOBだからこの結果も致し方ない。

 杉下以外にも「杉浦忠のカーブ」「稲尾和久のシュート、スライダー」「金田正一のカーブ」「平松政次のシュート」など強烈に記憶に残る名選手の魔球があったが実際に見ていない現役にとっては伝説の魔球になるのだろう。私の好みでは「巨人・大友工の下手投げのスライダー、カーブ」を是非加えておきたい。53年の米ジャイアンツ戦で日本投手として初めてメジャー単独チーム相手に完投勝利をマークし56年の対ドジャース戦でも途中登板で10三振を奪い勝利投手になっている。戦後すぐの昭和24年オドール監督率いる3Aサンフランシスコ・シールズ軍を皮切りに毎年のようにオフシーズンに来日したメジャーに子ども扱いされていたなか唯一溜飲を下げさせてくれたのが大友工であった。「マウンドの土の中から飛び出してくるボールを打てるかい」と悔しがらせた彼の投球はオールドファンにとって忘れることのできない鮮烈な1シーンとして記憶に残っている。

 シュートで選に上がったのが平松と西本聖の2投手であったのは選手寿命を大事にする最近の風潮から仕方ないのであろう。

 現中日監督高木守道がいかにも打撃の職人らしいコメントをしているので最後に記しておこう。「そりゃ昔より今の選手の方がすごい変化球を投げるよ。ただ、打てないということはないよ。どんな変化球だって狙っとったら打てるんだよ」。

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