2013年9月16日月曜日

オリンピックと行政改革

 2020年オリンピックの開催地が東京に決定した。直前、福島原発汚染水の漏洩が危機的に報じられたため暗雲が立ち込めたが、最終プレゼンで安倍総理が「港湾内0.3平方キロメートル内に完全にコントロールできています」という「絶対安全宣言」をしたことが功を奏し大差で開催地に決まった。しかし、安倍総理の安全宣言は真実なのだろうか。東電に代わって国が直接対策に乗り出すようだがそれで本当に事故収束は可能なのだろうか。
歳のせいか悪い方へ悪い方へと思案が向いてしまう昨今、開催はしたけれど原発事故は収束せず不安が広まり有力選手をはじめ多くの選手にボイコットされ、広い競技場に僅かな選手が低調な競技をしている図が思い浮かぶ。まさかそんなことはめったにないと思うが、国際公約をしたからはどんなことがあっても守って欲しい。一向に進まなかった震災復興がこのことで一気呵成に進むことになれば、こんな結構なことはない。ぜひそうなって欲しい。

その明くる月曜日、思いもかけず私の周囲で震災に絡んだ事件が明らかになった。1年ほど前、近くの公園に「災害用マンホールトイレ」の施設ができた。昨年9月(と記憶している)に完成したのに、施設使用のための案内掲示版にはカバーがかかったまま放置されているうえ地元住民への利用説明会が開かれた気配もない。いくらなんでもおかしいと公園管理事務所に問い合わせると上下水道局の管理だという。早速電話すると担当者は「今維持管理担当部署への引継ぎを行っています」という。そんなはずはない。ヤマカンで「あなた、これは東北大震災復興予算の流用案件でしょう」と少々『強面(こわもて)口調』で詰問するとあっさり「そうです」と認めたではないか。
聞いた内容から類推するとこうなる。復興予算流用案件として予算を取った「京都市上下水道局下水道部設計課」が設計施工して業者に発注、完成して完了確認後業者から設計課に施設は引き渡されたが、以降維持管理担当部署への引継ぎはなされず放置されたまま今日に至っている。
復興予算流用が問題なのは言うまでもないがマスコミの伝える他の案件に比べればこの施設ままだマシな方だろう。しかし通常の予算でない、棚ボタ予算でチェック体制もいい加減なのか、使ってしまえばお役人は「仕事をした」ことになるのだろう。何百万円(まさか何千マン円ということはないだろう)か知らないが国民の血税を「使わせて戴いた」という意識は微塵もなく、緊急避難用施設にもかかわらず利用者たる地元住民への利用説明会も行われず放置されていたのだ。

さてその公園だがゴミ拾いを初めて8年近くになる、その間いろいろあって最近やっと分かってきたのだがこの公園の管理系統は複雑多岐に亘っている。公園の半分を占める有料野球場を含む北部分は「京都市体育協会(文化市民局スポーツ振興室)」が管理し現在メンテナンスを「近建ビル管理㈱」へ業務委託されている。南半分は「北部みどり管理事務所(建設局)」が担当部局である。他に西京土木事務所(建設局、周辺道路管理)、自転車政策室(建設局、周辺道路上の放置自転車担当)、先の下水道部、防火危機管理室(行財政局、広域避難場所の掲示板管理)。加えて警察と消防もそれぞれの緊急時には絡んでくるし、隣接の桂川中学校、川岡東小学校は最大の利用者である小中学生の指導教育を行っている。
この複雑な管理系統を把握している部署はあるのだろうか。そしてこれらの担当部署の相互連携はとれているのだろうか。ちなみに公園開設以来近隣住民が毎朝行ってきたゴミ拾いは小中学校の協力があって今では週数回のゴミ拾いで済むように改善されている。

行政改革の必要なところは身近にいくらでもある。それを愚直にひとつひとつツブシテいけば、この国はもっと少ない費用(税金)で効率的に運営できるはずだ。

0 件のコメント:

コメントを投稿