認知症について
歳をとって
身内に認知症になるひとがでてくるようになって
妻を 認知症になられて 苦労する友人が増えるようになって
認知症とは
正常に発達した 大人の脳機能が低下して 生活に差し障りが でてくる
物忘れや 仕事の段取りが悪くなってくる
着替えや意思疎通も難しくなり
徘徊が目立つこともある
手にいくつも荷物を持って ドアに鍵を掛けようとして 荷物を落とすことが多くなる
座を立って さて何をしようとしたのか 思い出せない
敬老乗車証をもらって あてどもなく 疲れるまで歩きつづけて バスに乗って帰ってくる
歩くことだけが 勝手に足が動いて 頭の中は カラッポ
空気に溶け込んでしまった 『夢中』感
早朝 3時か4時ころ
突然 音が絶えて 目覚まし時計の音さえ消えてしまう
鼓動だけが 闇のなかで 息づいている 『無中』感
歳をとって
仕事がなくなって
生活の全部が 自分の勝手になって
身の置き処が あやふやに
認知症のひとが ひとを殺した という
ニュースを 聞いたことがない
貧乏がすべてのはじまりだった
戦争が終って みんなが 貧乏だった
あれから70年
高度成長期を知っている 年寄りは 若い人たちが可哀想だという
でもあれは 異常だった と
毎年給料が上がって 我慢すれば 一戸建ちがもてるようになる ことはもうないかもしれない
みんなが高校へ行って 半分以上が大学へ進む ことはもうないかもしれない
年寄りが年金で20万円以上の収入があって
離婚した母子家庭の母親の収入が 15万円というのは もうなくさなければ
みんなが貧乏だったから 貧しさに負けなかった
貧乏だから 分かることが 人生のスタートになる
はじめから 差のある生き方は
どちらも 不幸だ
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