2021年5月17日月曜日

ワクチン予約をスムースに行なう方法

  どうしてこうも役人というものは同じ過ちを繰り返すのでしょうか。電話にしろネットにしろそれなりの「容量」を用意しておかなければパンクすることはこれまで何度も経験したではありませんか。何故それが分からないのでしょうか。若い役人の中にはITに強い優秀な人もいるはずですからこうした事態――電話回線がたったの8回線だったりネットの受付容量が少なかったらパンクすることぐらい常識として知っているでしょうし当然上司にも提言しているはずで、にもかかわらず上司がそれを採用しないのでしょうか。それにしても一二の自治体だけでなくあっちでもこっちでも同じ状況が出来しているのはやはり役人の能力と組織が劣化しているからなのでしょうか。もしそうならわが国は取り返しのつかない危機的状況に至っていることになるのですが……。

 

 ワクチン予約の根本的な問題点はワクチンの「決定的」な不足です。医療従事者と高齢者合わせて約4千万人(医療従事者480万人高齢者3600万人)に対してまだ医療従事者の70%弱、高齢者に至っては1%そこそこのワクチンしか供給できていないのですからそのわずかなところへ「無制限」の受付を行えば予約希望者が殺到して受付事務が混乱、パンクするのは誰にでもわかる道理です。ただお役所というものは「不公平」の誹りを受けることを極度におそれる習性がありますから受付を何らかの縛りで制限することはできなかったのかもしれません。

 となれば一度の受付で「対象者全部」を受け付ければいいのです。例えばある行政区N(ある県のある市)の接種対象高齢者総数が3万人であれば3万人をすべて「受け付け」てしまえばいいのです。そして全員に通し番号を付して、ただし今回はワクチンが2千人分しかありませんから01番から2000番の2000人の方を今回分として受け付けます、その他の人はワクチン配布量が決定次第順次接種実施者として組み入れていきます、対象者は供給された分――例えば5000人分なら受付番号の2001番から7000番の方を接種対象者としますからネットで確認してください、ネット利用が不可能な人に対しては電話(郵便)で通知します。

 もうひとつの方法は「ワクチン接種券(既に配布が終わっていますが)」に通番を付けておいてこれを利用する方法です。行政区Nなら3万人ですから01~30000を付与しておいてワクチンが供給されるごとにその供給量分の接種対象者を決定する方法です。決定のし方はコンピューターを使ったランダム数で行います。第1回目が3000人分ならランダムに決定された(01から30000までの数字)3000人を接種者として決定します。通知の仕方は上と同じでもいいですし、前もって登録されているネットアドレスや電話を使う方法でもいいでしょう。

 このような受け付け方式で行えば受付事務が1回で済みますし接種を受ける高齢者も「待機」という不便はありますが一度でケリがつきますから不満は最小限で抑えられるでしょう。加えて接種者の日時と時間を指定すれば「打ち手不足」解消もできます。

 優秀な役人が多いのですからいろんな方法が思いつくはずでITの専門家の知恵を拝借すればもっと「かしこい」方法もあるかもしれません。なにもかも「自前で」、不慣れなことまで抱え込んでやってしまおうとするから混乱と「税金の無駄づかい」を繰り返すのであって、また権力を振りかざしてなにかと「地方への介入」を行なう中央のお役所なのですからこんなときこそお得意の「マニュアル」をつくって混乱を未然に防ぐこともできたはずで、平時のどうでもいいときには余計な口出しをするのにこんな非常時には地方に丸投げしてしまう、そんな中央官庁なら「権限と予算」を地方へ譲るほうが我が国全体としてはずっと効率的だと思うのですがどうでしょうか。

 

 コロナがらみで言えば高橋洋一内閣参与の「さざ波」発言が物議を醸していますが、「日本はこの程度の『さざ波』」という認識になんらまちがいはありません、むしろよくぞ言ったというものです。アメリカの3200万人、インドの2200万人に比べれば日本の65万人は微少なものです。許容できないのは〈笑笑〉です。1日の感染者数わずか5000人で医療崩壊するわが国の医療体制の脆弱さ、昨年暮れに供給開始されたコロナワクチンがいまだに人口の1%にも満たないワクチンしか供給できていない医薬品供給体制の不完全さに決定的な政治と行政の劣化があるのです。高橋氏はその政治と行政のトップにいる菅総理の最側近頭脳なのです、最前線で総理を補佐している『当事者』なのです。その立場の人が〈笑笑〉と笑っている場合ではないのです。弁明で「客観的事実」を述べただけと言っていますが、それは彼が「経済評論家」なら許されますが今や彼は「当事者」なのです。海外で笑われている惨状を一日も早く改善するのがあなたの仕事なのです。それを忘れてもらっては困るのです。

 この内閣は「当事者意識」のない人が多すぎます。「マスクはいつまでしなけりゃならんのかね」と記者に質問した麻生副総理。麻生さん、あなたは副総理なのですよ。菅さんと一緒になって「先頭に立って」コロナ終息に粉骨砕身してもらわなくてはならないのです。マスクを不要にするのはあなたなのです。河野コロナ担当大臣は「私は運び屋ですから」と接種現場の混乱に不関与を公言しますが、いやいやあなたも「当事者」ではありませんか。供給量の早期確保も未達成なのに接種体制確立も管掌外だというのであれば「コロナ担当大臣」って一体何をする大臣なんですか。

 

 一番の「当事者意識」「不感症」なのは菅総理大臣です。「先頭に立って」コロナ終息に尽力し「国民の安全・安心」を達成します、と「壊れたテープレコーダー」のように繰り返しますが具体策も達成日限も示さず、「専門家の先生のご意見をうかがって」と「壊れたテープレコーダー」のように言いながらその意見を取り入れた「科学的」な対応策はこれまで一度も実施されたことがありません。それであるのにオリンピックは既定路線として「開催ありき」で突き進んでいます。菅さん、あなたはコロナを一日も早く終息させて国民の安全と安心に『責任』をもつ政治と行政の最高の『当事者』ではないのですか。オリンピック開催を強行してコロナが爆発的に「感染拡大」して医療が崩壊し死者が激増したときの『責任』を「自己責任」と『覚悟』していますか。

 

 オリンピックと選挙しかあの人ら、頭にないのとちがう?という妻にむかって一言もいえないのがもどかしい今日この頃なのです。

 

 

 

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