2022年8月22日月曜日

補助金もらって最高益?

  石油元売り各社が4~6月期最高益を上げたという報道を見て「?」と思ったのですがみなさんはどうお感じですか。マスコミ各社はまったく反応を示しませんがこれでいいのでしょうか。

 プ―チンの不条理な戦争が原油価格の高騰を招きガソリン価格が異常な高値を記録し政府は「燃料油価格激変緩和補助金」制度いわゆるガソリン補助金を設定しました。ガソリンの全国平均小売価格1リットル当り170円を基準価格として、価格上昇分1リットル当り5円を上限として石油元売り会社に補助金を支給して小売価格の上昇を緩和しようという制度です。しかし価格上昇は想定を超えて上昇したために基準価格が4週間ごとに1円ずつ切り上げられるようになり補助金も25円に引き上げる追加対策が講じられました。こうした制度の変遷を経ながら補助金は2021年補正予算で800億円、2022年予算で1.3兆円が計上されています。ざっと2兆円がガソリン価格高騰を抑える予算として計上され6月現在既に1.8兆円が支給されています。

 一方元売り各社の利益は2022年3月期、2022年度4~6月期とも過去最高益を計上したのです。3月期の上位3社の利益合計は約7000億円、2022年4~6月期は約5000億円にも上っているのです。勿論これは原油高による備蓄原油の評価高が大きく影響しており加えて円安影響もあるのですが、補助金の影響も無視できません。

 これっておかしくないですか。もし補助金がなく原油高がそのまま小売額に反映されていたらガソリン需要は大きく減少して元売り各社の売上げも減少し[売上げ減→利益減]になっていたはずです。勿論ガソリン高が各種商品の価格に反映されて「物価高」も尋常でなかったかもしれません。しかし補助金は元売りへ支給する形ではなく小売価格を直接引き下げる制度設計も可能だったはずです。それを税金を使った「補助金」を元売りに支給する制度になって、元売り各社の利益を「最高益」に繋げた結果になったのは、どこかおかしいのではないでしょうか。税金で元売り各社の利益を最大化したとなるとわれわれ国民としては納得いかない気持ちに襲われるのも当然なのではないでしょうか。なのにマスコミもどこからも文句がつかない――批判の声が上がらないのはどうしてでしょうか。

 これってどこか変ですよね……。

 

 不採算の在来線の存廃基準を官民で検討しようという動きが表面化しています。はっきりいえば「不採算のローカル線は廃止する」という方針を有無を言わせず「国民に納得させよう」という気運を盛り上げようとしているのです。これまでも北海道を中心にローカル線の廃止は着々と進められてきたのですが、コロナ禍で利用者数が激減したこと、今後の学生数の減少による定期券購入の減少、テレワークの一般化と企業の地方誘致進展による大都市圏通勤客の減少などが相乗化して鉄道需要の大幅減少が見込まれる現状は鉄道事業の大幅縮小が予想され「不採算の在来線廃止」を進めざるを得ないと鉄道事業者と政府が国民に納得させようというのです。

 ちょっと待ってください、『地方創生』はどうなるのですか。地方創生は国家百年の計で歴代政府与党の一大政策だったはずじゃないですか。鉄道が廃線になって疲弊していった地方の例は枚挙にいとまがありません。不採算在来線の廃止と地方創生の『整合性』はどこにあるのですか。

 コロナ禍がわれわれに教えたのは「東京一極集中」「大都市圓中心」の成長政策の危険性でした。一方で企業の地方移転も「パソナ」の淡路島移転やIT企業の「白浜移転」などによって徐々にではありますが現実性を帯びてきています。地方の大学と企業の連携も増加しています。コロナという圧倒的な強制力がいままで掛け声ばかりだった企業に真剣さをもたらしたのです。

 なぜいま、「在来線の廃止」なのですか。これってどこか変ですよねぇ……。

 

 安倍元総理が暗殺されました。犯人は旧統一教会への恨みを安倍さんに捩じ曲げて犯行に及んだといいます。身に覚えのない安倍さんにはお気の毒というしかないのですが(しかしその後の展開をみるとあながち身に覚えがないとも言えないようですが)問題は自民党の、そして議員さんたちの態度です。安倍さんといえば党内最大派閥の領袖であり総理在任期間史上最長という自民党の大看板です。いわば安倍派の「親分」であり自民党の「大親分」です。その親分が理不尽な旧統一教会への逆恨みで暗殺されたというのに旧統一教会への「怒り」がまったく無いのはどうしたことでしょうか。安倍派は勿論のこと自民党として旧統一教会への厳しい追求が行なわれ宗教法人の認証取り消し、解散が求められるべきだと思うのですが一切そうした動きはありません。それどころか無関係を装って沈黙を決め込むばかりです。

 大体保守系右派の人たちは「嫌中嫌韓」が信条で「韓国侮蔑」が通り相場のはずが旧統一教会に限ってはひたすら「かばい」だて、むしろ「尻尾を振って」選挙応援を「乞い願う」ばかりで、見方を変えると「跪坐低頭(きざていとう)」という卑屈な姿とさえ見えるのはどうしたことでしょうか。

 LGBTSへの侮蔑差別発言や障碍者や生活保護者への「自己責任論」の押しつけなど「弱いものいじめ」は勇ましい自民党議員さんたちですが、選挙のためなら信条も矜持も投げ捨てることを愧じない情けなさは一体どうしたことでしょうか。

 これってどこか変ですよねぇ……。

 

 明治の先人たちは「百年の大計」で先進西欧諸国に伍するべく努力しました。今の人たちには一体「百年の大計」などあるのでしょうか。

 

 

 

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