2011年5月2日月曜日

強制終了

 朝気づかなかったハナミズキが夕方公園に行ってみると一斉に花を開いていた。日中に降った雨の恵みだ。そういえば木々の緑も或る朝とつぜん枝々に茂ることを最近になって知った。今までもそうだったに違いないのだがここ数年そうした自然の営みに驚き、敏感に反応している自分がいる。さだまさしの「人生の贈り物」にこんな歌詞がある。「季節の花がこんなに美しいことに/歳を取るまで少しも気づかなかった/私の人生の花が 散ってしまう頃/やっと花は私の心に咲いた」。

 それにしても今年の新緑の勢いは激しすぎないか。桜の花も随分と豊富であったように思うし、段々に亜熱帯的気候に近づいているのでは、と少し怖い。
 以前はもう少し穏やかに季節が移ろっていたのは間違いないから地球温暖化の影響が徐々に加速しているのではないか。お米は昔近江米や富山米が上等とされていたのに最近は「秋田コマチ」や「北海道きらら」が美味しいとされているのはそのひとつの例であるかもしれない。また鳩山前首相が国連気候変動サミットで温室効果ガスの排出量を2020年までに1990年比で25%削減すると明言したのは彼の数少ない功績に違いない。

 この25%の削減目標に対して「日本は早くにエネルギー削減に取組んできたからもうほとんど削減余地は残されていない」という論調が支配的で国際的公約を反古にしようという勢力がほとんどであった。
ところがこのような『趨勢的思考』に『強制終了』がかけられた。今回の東日本大震災による「節電目標」だ。海江田万里経済産業相は28日、東京電力と東北電力管内での今夏の最大使用電力の削減目標を、企業、家庭とも前年比15%減とすると正式に発表した。目標達成のために企業は生産時間短縮は当然だし家庭でもこれまでの生活習慣を根本的に改める取り組みをしなければならない。
大体料理は炎で、洗濯物は太陽で乾かす、風通しをよくして扇風機の風を送ればそれだけで随分涼しく感じられるものだ。電気が無限にあるように勘違いしてなんでもかんでも「オール電化」したのが間違いだったのだ。

 東日本大震災によって『20世紀型文明』を『強制終了』されたということを我々は肝に銘ずるべきだ。

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